つなぐいっぽの代表&「Step(s)のがた」管理人の吉田です。
2021年10月5日の報道ステーション(テレビ朝日)で、この9月に行われた東京パラリンピック視覚障害100メートルバタフライの金メダリスト、木村敬一さんの特集を放送していました。
実は前回大会のリオパラリンピックを終えて”イヤイヤ病”になっていたという驚きのインタビュー内容でした。
<木村敬一さんの特集記事>
https://news.tv-asahi.co.jp/news_sports/articles/000231016.html
厳しいトレーニングにも耐えて臨んだリオパラリンピックでは、無念の銀メダル。
こんなに頑張ったのにと、東京パラリンピックへ向かう気持ちが切れてしまい、「もう逃げたい」という思いで一杯になってしまったそうです。
そんな木村さんがどのように復活し、東京パラリンピックで金メダルを掴むことができたのか。
木村敬一さん:「少々トレーニングがうまくいかなくても、生活が充実していれば、人生トータルとして楽しくなるのかなと思った。ゼロの状態からスタートしても、チャレンジすることによって、ゼロより下になることはない、マイナスになることはなくて、成功すればプラスだし、失敗しても進まないだけ」
報道ステーションホームページより抜粋
競技以外のことにチャレンジすることも、自分の人生にとって意味のあること。
こうして木村さんは2年間のアメリカ留学へと向かいます。
全盲の木村さんにとって、環境が変わるということは並大抵の大変さではありません。
それも言葉も文化も異なるアメリカという場を選択された勇気に感嘆します。
留学生活では、英語の点字テキストで語学学習をして、水泳の練習場所の確保も自分で行う。
見知らぬ土地で、すべて一人で行わなければならない、”自立生活”を送っていました。
頑張り屋の木村さんは、少しずつ英語が話せるようになり、友だちも増えていき、行動も積極的に変化していき、できなかったことが、できるようになる実体験を積んでいきました。
留学中は日記を書いていて、時々読み返しては自分の頑張りを客観的にみることができ、「呼吸してるだけでもスゴイ」とまで、自分の出来ていることを認められるようになっていきました。
水泳以外の、日常の生活面で出来るようになった些細なことが、結果的に水泳に対しても、生きることに対しても自信を持てるようになりました。
木村さんのお話しは、「Step(s)のがた」での取り組みと共通している点があります。
毎日の生活の中で、難しいと思い込んでいたことが出来るようになり、少しずつ自信がついていく。
実は「Step(s)のがた」においても、木村さんの日記のように、その日に出来たことを毎日記録して、定期的に振り返りをしています。
日々の生活で身についた自信は、やがて仕事に対しても自信をもって臨めるようになる。
プラスの循環を、自分自身で生み出していて、とてもエコですね(笑)
先日インタビューをさせていただいた「Step(s)のがた」利用者のAさんからも、木村さんと同じ言葉が出ていたことを思い出しました(Aさんのインタビューについてはコチラ)。
「自分でも出来るんだなと、自信がつきました」
「自分の可能性を見出すことができました」
木村さんの言葉から、改めて「Step(s)のがた」の存在意義を思い返すことができました。
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