生活力のトレーニングに特化した学びの場
「Step(s)いおぎ」
「Step(s)いおぎ」は、株式会社田治の提供する自立楽習プログラム「つなぐいっぽ事業」の一つ、
『セルフ生活体験講座』を実施するための学び場シェアハウスです。
セルフ(単身)生活体験を通じて、実践的に生活力のトレーニングを行うことができます。
楽習のサポートを行う見守り人(スタッフ)も宿泊体験時には一緒に宿泊し、サポーターの視点と併せて、シェアメイトとしての視点においても気付きをフィードバックしていきます。
ご利用いただける対象の方は、13歳~35歳までの発達障がい・グレーゾーン・軽度知的障がいの方で、学生の方、企業等で働いている方、就労準備訓練を受けている方、若者サポートステーション等の相談機関を利用されている方などです。自宅や会社とは異なる「第三の環境」において、生活力をスキルアップしていき、将来の暮らし方などを自分で選べる選択肢を拡げていくための学びの場です。
家庭の中で生活力のトレーニングはできる?
もちろん、トレーニングは可能です。
しかし、家庭の中での生活力トレーニングは、案外難しいのではないでしょうか。
親子間で「教える(親)」立場と「教えてもらう(子)」立場になった際、10代後半や成人されたお子さんが素直に親御さまの話を聞き入れなくなってくることはごく自然な流れです。
そのような中、忍耐力を維持しながら毎日の生活の中で家事などを教えていくことは、親御さまの負担が計り知れません。
ご家庭では意外と難しい生活力トレーニングを、客観的な立場で実施できるのが株式会社田治が運営する「Step(s)いおぎ(ステップいおぎ)」です。
安心してたくさん失敗できて、楽しく学べる場 =「Step(s)いおぎ」
「Step(s)いおぎ」は、自立心を促すために必要な部分のみサポートを行う、見守りサポート付きシェアハウスです。
失敗をしないようにと先回りしたサポートは、一見すると<配慮>にみえます。
しかし失敗することで、次はどうしたら上手くできるかな?と考えて、またチャレンジする。
この連続こそが学習の過程であり、気がつく力、考える力の成長に繋がります。
中にはこれまでの失敗経験を通じて、失敗をすることへの恐怖心が大きい方もいらっしゃると思います。
「失敗したくない」、「失敗させたくない」
失敗をすることで、怒られたり、責められたりと、嫌な想いをされてきた方も少なくないでしょう。
失敗をマイナスイメージにさせてしまう環境が悪かったのであり、皆さんのせいではありません。
失敗をする権利だってあるのです。
「Step(s)いおぎ」では、生命に関わることを除き、先回りしたサポートは極力いたしません。
もちろん、失敗したことで目的なく注意や叱責をすることはありません。
「Step(s)いおぎ」は、安心してたくさん失敗できて、楽しく学べる(楽習)環境です。
楽習(学習)内容について
家庭内で家事を積極的に実施されている方、あまり実施されていない方、スキルの状況は個人差があります。
経験があまりない方は家事スキルから身につけていき、計画性→効率性→優先順位の見極めと、スキルの習得状況により次第に目標設定をステップアップしていきます(図1参照)。
初級&基礎スキルの方は家事スキルなどの基礎固めを、中級&上級スキルの方はより単身生活に近い生活体験をしていただきます。例えば食事の準備について、初級&基礎スキルの方は当番制での共同作業、中級&上級スキルの方は個別で準備をしていきます(初級&基礎スキルの方は食材費が必要)。

※図をクリックすると拡大されます
便利なアイテムを使うことで、できる幅が広がる
家事はやったことがないから難しいのではないか、と不安に感じる方がいらっしゃいます。
誰でも初めてやるときは緊張したり、失敗したらどうしようと考えてしまい不安になりやすいです。
先述した通り、「Step(s)いおぎ」では安心して失敗しながら学べる場であるとともに、便利なアイテムを使うことで難しさのハードルを下げ、楽しく学べるようにしています。
便利なアイテムの一例としては、先ほどの自己チェックシートも含まれ、自分の体調把握を簡単に行えるようにしています。
他にも、調理で使えるもの、金銭管理や時間管理で使えるものなどがあり、いずれも無料や低価格で利用できるものばかりです(図3)。また、調理方法においては火を使わずにレンジだけで簡単に作れる料理も積極的に活用して、「意外と簡単にできる」ことを実感していただきます。



(1日の流れを見える化)
※画像をクリックすると拡大されます
日帰り料理体験(レポート付き)
「Step(s)いおぎ」でランチ作りを体験できる、「日帰り料理体験」を実施しています。
宿泊はまだ勇気がでないという方や、まずは「Step(s)いおぎ」の環境に慣れてみたい方などは、こちらの日帰りコースからスタートしてみることをお薦めします。
作る料理のメニューは、オンラインでの事前ヒアリングで一緒に決めており、ご本人の自己決定の機会にもなります。料理中は親御さまには離席いただく代わりに、ご様子については後日レポートにまとめてご報告いたします。

「Step(s)いおぎ」での2日間体験の流れ
「Step(s)いおぎ」での2日間は、土日祝や夏季・冬季の長期休暇などを利用して、勤務や学業のない時間からスモールステップで生活体験をしていただきます。2日間の中で、食材の買い出し、食事作りや片付け、清掃などの家事を体験していただきます。(図4参照)

利用状況の報告書について
「Step(s)いおぎ」では、利用時の状況等をまとめた報告書を作成し、終了日以降にお届けしています(※2日間生活体験はオプションサービスとなります)。利用時にみえた課題点、生活力スキルの評価点、また作業時の様子や食事の写真なども併せて報告をいたします。
ご自宅に戻られた後も、この報告書を元にご家族で振り返りの場を設けていただき、「Step(s)いおぎ」で学んだスキルを維持していく方法(家事の役割分担など)を考えるツールにしていただければ幸いです。

※画像をクリックすると拡大されます
「Step(s)いおぎ」は障害福祉サービスではありません
障害者手帳をお持ちの方の場合、生活力をトレーニングできる場として自立訓練(生活訓練)やグループホームなど障害福祉サービスが利用できます(※1)。
しかしながら、実際に利用できるまでには受給者証を取得するための手続きで最低でも1ヶ月、タイミングによっては2カ月ほどかかってしまうことや、特にグループホームでは利用したくても空き枠がなかなか出ないなど、ローコストで利用ができるメリットもありつつ、利用までの道のりが長くなりやすいというデメリットもあります。
せっかくヤル気満々でも、タイミングが合わずに残念ながらまたそのうち・・・となる場合も。
「Step(s)いおぎ」では、以下のような思いや実情を踏まえて、障害者総合支援法外での運営形式としています。
●「やってみたい!」と思ったときこそがベストなタイミング!
→ 手続きを最小限にして、タイミング良くすぐ利用ができるようにしていきたい
●障害福祉サービスでは充実したサービスを提供することで助成を受給可能
→ 一方、「Step(s)いおぎ」では自立心を促す目的のため、
直接サポートを敢えて控えている都合上、そもそもの方針が異なってしまう
●知的にハンディのない発達障がいの方は精神障害者保健福祉手帳が発行
→ 利用できるのは精神障害のある方を対象としたグループホームや施設など
→ 障害特性などの違いや、雰囲気への違和感から利用に至らないケースがある
→ 結果的に利用できる場所がなかなか見つからない
●医療や福祉に繋がりにくいボーダーの方やグレーゾーンの方などのニーズにも対応したい
※1 障害者手帳を持っていなくても、医師の診断書等により障害があると判断されると、
サービスを受けられる場合があります。詳細は各自治体や相談支援事業所等へご確認ください。
サービス料金について
「Step(s)いおぎ」は住まいを目的とした場ではなく、<学びの場>です。
住居スペースをお貸しするだけではなく、以下をご提供していくことを目的とした場です。
●自立心を促し自分で行動を起こすための環境作り
●生活力を身につけていくためのサポートサービス(楽習プログラムを含む)
●ひとり暮らしやシェアハウスなどの暮らしを支えるためのサポートサービス(オプションサービス)
コース別での利用料金
基本コース | 対象の方 | サポート サービス料 | 設備利用料 | 食材費 | 利用料金総額 (税込) |
---|---|---|---|---|---|
個別相談 (1時間) | 個人情報を 含めたご相談 (進路・就労・自立準備など) | 5,500円(1時間) ※お試しご利用の場合には事務手数料無料 | ― | ― | 5,500円 |
日帰り 料理体験 | まずは宿泊なしから気軽に体験してみたい方 | 16,800円 | 1,000円 | 1,200円 (2名分) | 19,000円 |
2日間 生活体験 | ひとり暮らしを気軽に体験してみたい方 | 29,000円 ※報告書作成はオプション として別途5,000円 | 2,500円 | 1,500円 (3食分×1名) | 33,000円 |
※上記の利用料金総額に、事務手数料5,000円が初回ご利用時のみ加算されます
ただし、個別相談を受けた後に日帰り/2日間コースをご利用の場合には、事務手数料は無料です
※次回ご利用が3か月以内の場合にはリピーター割引があります
◆寝具類一式をレンタルする場合、上記の利用料金総額に以下のレンタル料金が加算されます
1泊6,000円 / 6泊11,000円 ※往復送料込み
◆「日帰り料理体験」と「2日間生活体験」は、原則として週末や祝日の日程で行います
ただし、学生の方で夏季・冬季・春季の長期休暇中のご利用を希望される方は別途ご相談ください
◆体験の利用期間について、2日間以外での期間をご希望される場合にはお問い合わせください(例:3日間、7日間など)